九段坂三番町

　まともに食らった。電話越しに。うーむ。悲しい。

　帝国データバンクに掲載されるような企業は、ほとんど無縁で赤の他人のこと。それなりに驚くケースもあったけれど、たんたんとしていられたし、今後もほとんどのことに対しては、そうあり続けるんだろうけど。

　40代とおぼしき男性の、震えた声。必死に落ち着こうとしている雰囲気が伝わってきて、なんだか辛くなった。

　会社に向かって、靖国通りを歩いていたときのこと。冬の気配が漂い、冬支度しはじめた街路樹を見ながら、てくてく歩いていた。

　わしの前方に初老の女性がいた。まぁ、わしより速度が遅いので、だんだんと近づいてきた。そのときひらりと街路樹から木の葉が落ちてきた。

　ひらりひらりひらひらひらり。その女性の頭上に木の葉が一枚舞い降りた。

　「たたたたぬきだー！」

　幻想的な、という言い回しがある。しかし、一体どんな時に使うだろうか。今日のお話は、わしが東京で目撃した、この冬一番のイリュージョン。

　徐々にだが、いよいよ年末の香りが漂ってきた。ま、お仕事はこれから何かと忙しくなるんだろうけど、今週は無事に過ごせた。来週からは怖い。既に月・火は予定が……。

　さて、年末年始はわしにとって一大休暇の1つ。2005年は、1月2日が日曜日なので、「は、3日から仕事始めですか」と一瞬考えたが、実際は6日からスタート。12月28日〜1月5日は休みになった。9連休ですな。

　財布から諭吉っつぁんがはみ出るくらいであれば帰省するところだが、そんなわけもなく、やることと言えば、自宅でじっと手を見るくらいだ。初詣に関しては、かねてより「鎌倉の鶴岡八幡宮行きてぇ」と極々私的かつくだらない理由による思いを抱いてはいるのだが、さすがに激混雑するであろうから、ちょいとタイミングを計っていかねば。そもそも行かない可能性もなきにしもあらず。

　そういえば今年は初詣行ったんだっけか……。