九段坂三番町

■ 甲子園 18:26
　今年も開幕した全国高校野球選手権大会。その会場となる甲子園球場は、実家がほど良い距離だ。
そのため、中学くらいまでは無料で入場できる外野席によく足を運んだ。
とはいえ、よく行ったと言えるのは、小学生くらいまでで、
中学生になるとすり鉢状である球場内の暑さを学習し、少しずつ足が遠のいたのだった。

　わしが通っていた高校は、大阪市内のど真ん中で、練習できるスペースがなかったためか、野球部は存在しない。
そのくせアメフト部はあったりしたのだけれど。
身近な学校が出場しないため、今となっては高校野球そのものに対する好奇心が大いに薄れているが、
実家にいた頃は、夏本番を到来させるイベントでもあり、甲子園駅周辺が妙にざわつくこともあって、それなりに気にはしていた。

　しかし、バイクに乗るようになると、開催期間中は地元一帯が渋滞しやすくなることにようやく気づいた。
暑さによって遠のいた足は、ますます意欲減退。

　テレビで見ることもなくなっていったが、唯一嬉しかったのは、甲子園の天気予報を伝えてくれることだ。
天気によって試合状況が左右されることもあり、朝昼晩と甲子園周辺に特化した気象情報をテレビが報じる。
バイク乗りになってからはより一層ありがたく感じたものだ。
今はネットでそれなりに詳細な気象状況をチェックできるため、ありがたみは薄れているかもしれないが、
わしの心には、試合開始を告げるサイレンとともに、こんな細かなことが深く深く刻み込まれている。